2017年2月5日日曜日

昔の仕事・・・その21

私が、毘沙沢に初めて足を踏み入れたころの仕事には、同潤会・江戸川アパートの再開発、芝三丁目計画、大川端の超高層住宅棟、H製作所のゲストハウス、そして、今回紹介のイトーヨーカ堂幕張店があります。

イトーヨーカ堂幕張店は、1995年5月に設計がスタートし、1998年10月竣工、
その内、工事期間は14か月でしたから、設計に約2年を要しています。

延べ床面積が52,200平米と規模が大きく、店作りとの関係、立体駐車場の作り方など、商業建築の決断の難しさが設計者にもシビヤーな条件となり、設計終了までに時間が掛かったと記憶しています。

コストの厳しさは尋常ではなく、設計者としてはスマートな解決を信じて立ち向かうのですが、はかなく敗れ去る・・・ウルトラCなど無い、そんな中でも日本の施工者は知恵を出して解決するのですからすごいです。

S造に外壁ALCが結論で、上部に2層の駐車場があるのでアスファルト防水も省き店舗の直上のスラブ面に塗膜防水。スラブは合成スラブ。鉄骨量は800㎏/㎡以下。地下室はもちろん無しで、配管ピットの無いエリアは土間スラブ。駐車場はFR鋼に錆止め兼用塗料1回塗り。天井高は確保しつつも、階高ぎりぎりが美徳。

ショッピングセンターとはそうした商売のための器なのです。
それでも、担当したからには最善を尽くすのが建築家の仕事でした。

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