2012年11月29日木曜日

なぜ山の中か

今から40年近く前のセントラル硝子の国際建築設計競技で最優秀賞を頂いた。
http://www.cgco.co.jp/kyougi/#/past/1973
私1人ではなく、仲間4人での応募です。
審査委員には村野藤吾、丹下健三がいました。
40年ほど前のコンペ提案パネル

この時の私達の提案は、狭い地球の中でいかに自然と共生しながら豊かな生活を獲得するかでした。

その後、日本設計の、自然を大切にする風土の中で設計活動が出来たことは幸せなことでした。
都立大新キャンパス、北九州大国際環境工学部での経験でいろいろと学ばせて頂きました。

それでも現実は厳しくて、多くの仕事は戦いで、そう簡単ではありませんでした。
自然を壊す別荘地計画に携わることもありましたし、多くの経済活動は地球環境に厳しいものでした。

そんな中で、自然と一体になって、地球に負担を掛けない生活はどのようなものか?と、少しずつ考えていたのだと思います。

廃村、200年を超える古民家、これらは現代社会から捨てられたもの。
こうしたものこそが、私には、今、大切に生かさなければならないものに見えています。

山の中に生活することは大変です。でも、この選択はきっと間違っていない。
そう考える気持ちが私達を支えています。

富美恵は、古い布を裂いて新たな布を生み出してもいます。
私達は、只見町のユネスコエコパークに、そうした意味で賛成しています。

2012年11月28日水曜日

居心地の良い場所

これからの時期、寒い毘沙沢で私の一番の場所はストーブの前かな。
自作の、座の低い椅子に座り、火の様子を見ながら、テレビで世界の景色を楽しんだり、音楽を聴いたり、少しばかりのアルコールをいただく。
薪もそれなりに用意して。
お気に入りの場所です

富美恵は家事をしながら、窓の景色を楽しむ。
今朝の窓から

皆さんも、それぞれの世界で、それなりの理由で住まう場所を選び、お住まいのことと思います。
でも、よくよく考えると、どうしてその場所に住まうのか?憧れの地、親の代から、職場が近いから、高級住宅地だから・・・。
生まれる場所は選べない・・・でも、住む場所は選べる・・・皆さんはどうした理由でその場所にお住まいか・・・私はなぜこうした場所に居るのでしょうね。
冬の景色が美しいからなのかな?自然に囲まれていると、ワクワクするからかな?


2012年11月27日火曜日

あれやこれやは続く

この一週間は移動と環境の変化の激しい一週間でした。
此処では書けない事が山のように私に迫り、人生の難しさを教えてくれました。

それでも毘沙沢は相変わらず季節の変化が激しいのですが、いたって穏やかです。
自然環境は予想が付きます。どのように激しい環境の変化も予想が付く事が私にとっては穏やかに見えます。
カメムシはこのように身を寄せて冬を越すのに、私達は2人で閉じこもるのは何故なのだろう
冬支度は終わり、今朝から、あ~冬が始まるんだな、という自然からの厳しいメッセージ。
厳しい冬の始まりが、何故か優しく美しく感じられます。

そんな中で、女子バレー・眞鍋監督の椅子の製作に取り掛かりました。
今回の雪で、すっかり冬になりました


2012年11月19日月曜日

あれやこれや

豪雪地の根雪の前の晴れた日には、外回りの用事があれやこれやと有るものです。
新しく作った除雪機置き場に、雪が吹き込まないように隙間を埋め、草刈機やチエンソーのガソリンを抜き、薪を家の中に取り込み・・・・あ、あれもしなくては、これもしなくては・・・・。

そんな合間をぬいながら、テーブルの天板にオイルを塗って、脚の組み立てが終わりました
いつもながら、組み立ては緊張します。
ちょっとしたミスが命取りになりますし、組み立て順序を間違えると大変なのです。

少しずつ、冬の準備が整いつつあります。
そうだ、森林のふれあいコンサート、明和地区のブログにアップしていただきました。ありがとうね。
http://meitiku.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
右奥に立てかけてあるのが天板
















そして夜はこんな感じ・・・クリスマスコンサートに向けて。

2012年11月18日日曜日

ユネスコエコパーク地域シンポジューム

只見町の表記シンポジュームが今日行われました。
雪交じりの天気の中、湯ら里の会場に少し遅れて出掛けました。
エコパークには、私の多くの仲間が推進役なのです。

会場には沢山の方々が来ていましたから、遅れて到着した私達は資料を頂くこともできなかった。
それほど、予想を上回る入場者でした。

エコパークの先進地、綾町からわざわざお出で頂いた河野耕三さんの話、地元の町民の皆さまの感想など、それぞれ、なるほどなるほど、と関心することも多く・・・・期待の大きさを感じました。

でも、何だか少し違う、これで本当に只見町は変われるのだろうか?と、疑う私が居ました。私はひねくれ者なのです。

このように盛大に結婚披露宴のようなことをするのなら(すでに住民説明会は各地区で行われたのだ)、こうした華やかなこととは無縁だけれど、只見町を本当に愛していて、実際に只見町で生きている多くの町民の、一軒一軒を、それが無理なら集落を歩いていただきたかった。それぞれの生活とエコパークの関係をじっくり時間を掛けて話しあってほしかった。

すみません、気を悪くしないで下さい。でも本当に奥会津の将来が心配。
早く次なる動きをしないと・・・・登録された後、「え、何が何処がエコパーク?」と言われないように。

2012年11月15日木曜日

生かす

昨晩は初雪。もう少し待って欲しかったのだが、地球の営みを変えることはやはり出来ない。
ま、仕方が無い、とあきらめるしかない。
と思いつつ、まだまだ根雪にはなるまいとのんき。
今朝の毘沙沢

だいぶ前になりますが、事情で切り倒すことになったケヤキを、製材し利用したいとの相談を受けていました。
今日は、朝から舘岩で製材の立会い。
正直、切り倒して、しばらくその場に置かれていて、う~大丈夫かなと一抹の不安もありましたが、なんのなんの、この生命力。
未だみずみずしい、切断面を見ると、この生命力に脱帽。
これは、なんとか生かさなければ。
製材現場

お礼の昼食は、湯の花にある紅葉館の裁ち蕎麦。
湯ノ花・紅葉館の裁ち蕎麦・細くて腰がある
2人だけの贅沢な昼食。
お土産までいただきましたから、夕飯もまたまた裁ち蕎麦、なんと贅沢な。

こう書いてくると、とても優雅なと思われそうですが、実は大変な忙しさ。
雪との競争が・・・。
18日ぐらいから、雪雪の予報。
あ~困った。え、今もまた降りそうな気配。


2012年11月13日火曜日

建築

今、只見町で庁舎建設の為のプロポーザルが行われています。http://www.tadami.gr.jp/tyousya/tyousyatop.html
この小さな東北の只見町で、こうした方法(公募)で設計者、建築家を選ぶのは初めて (これに近い方法は有ったと思いますが)の試みでしょうか。

日本の近代建築の黎明期、公共建築が競技設計を採用してからずいぶんと時間が経っていますが・・・・そうした時間の経過の後の只見町の今なのだと・・・う~、前川國男先生の近代建築の黎明期から何年経つのか。

大工さんと、建築家の違いを知る機会の少なかったこの地に、日本をリードする建築家が建築家として町の人々と対話する機会が・・・・・・実現しそうです。

最近、たびたび、建築の「力」を話すことがあります。
「建築には人々を幸せにする力がありますよ」と。
庁舎建設を機会に、只見町に建築の力が、力を発揮しますように。
そして、町が美しくなりますように。
只見の自然に似つかわしい、ユネスコ・エコパークのイメージにふさわしい町に・・・・関係者の皆さま、お願いします。

2012年11月11日日曜日

空気が美味しい

森林のコンサート以来の太陽。
朝の空気がとてつもなく美味しい、気持ちが良い。
煙突から煙
今日は湯ら里で文化協会のコーラスの発表。
天気を見計らってか・・開きだした
家の裏のウバユリの種がやっと開きだした・・・中身がぎっしりだ。
製作中のテーブルの天板が何とか組み終わった・・ホ。

毘沙沢はこの世の天国(雪の前のひと時ですが)。

2012年11月9日金曜日

只見町庁舎プロポーザル・一次審査終わる

先ほど只見町のHPに、一次審査の結果が公表されました。
20者の建築家の方が二次審査(技術提案書の作成)に進むことに成りました。

私が言うのもなんですが、すごい人達ばかりです。
これは期待できます。只見町が面白くなりそうです・・・わくわく。

アラジンストーブ・その2

今でも、我が家のアラジンストーブ2台は現役。
何時買ったのか、あるいは何処から流れてきたのかも記憶に無いくらい昔のもの。
その為か何の違和感も無く身近に有ります。

そんなアラジンストーブを最近再評価しています。
この形は、煙突状ですから上に熱気が昇って、部屋全体を暖めるもの、と思い込んでいました。
上にやかんを載せたりできるから便利、ぐらいの評価でしかなかったのです。

ところがです。側に居ると、やんわりと暖かいのです。
その暖かさは薪ストーブに似ています。
そうなのです。煙突状の部分はホウロウで出来ていて、輻射熱を放出しているのでした。

今時の熱風を出すものとか、一方向に反射するものとは違い、近くに置いて、やんわりです。
音も無く、丸い窓のブルーの火が美しい・・・西洋火鉢かな。
そして、停電の時、災害の時にコンロとしても使える優れもの。
アラジンストーブは一家に一台の優れものです。

今日も一日雨、ストーブ無しではいられない。

2012年11月7日水曜日

公募型プロポーザル一次審査

朝から、紅葉の景色の中を只見小学校まで移動。
景色はまさに紅葉真っ盛り。
田舎に住んでいると、こうした用事での移動そのものが楽しい。
今朝の伊南川

只見小学校で歌うのは何回目になるのでしょうか。
そうだ、いつも嘆いている只見の建築の中で・・・只見小学校は別格。
この建物は良くできています・・・子供達が羨ましい。
これは、子供達と、よそから来て頂いている?先生方だけに使わせる(こんな書き方ですみません。ひがみです)のはもったいない。
町民に開放せよ。
と言いたくなるような建物。本当にそうです。
何でこれを町民に開放できないのか・・・・空いている時に使えるルールと管理方法を考えれば済むことなのに。
たっぷりした木の空間(食堂?)はいつもこの状態?1日1回の利用?

歌った後に、各学年の生徒さんの講評を頂きましたよ~

午後から、庁舎公募型プロポーザルの地元只見側の一次審査への参加。
この審査内容を受けて東京側の審査が9日に行われて結果が通知される手はずです。

詳細は今此処では書けませんが、魅力的な設計者が十分に応募してくれています。
私の良く知る人たちも含まれます。
この先の具体的な、技術提案の中身を見るのがとても楽しみになりました。
参加の設計者の皆さま、偏狭の地只見町の為にご尽力下さい。





2012年11月5日月曜日

第四回森林のふれあいコンサート

ぐずついていた冬型の気圧配置が緩んで、何とか太陽が姿を現してくれました。
8時30分から会場設営、9時からリハーサル、12時30分開場、13時開演。

小さな会場に、沢山の方に来ていただいて、とても楽しい演奏会になったと思います。
今回初めての、チェンバロの栗山さん、朗読の菅又さん、歌とピアノの渕上姉妹、ご参加ありがとうございました。新たな出演で、会場を一段と盛り上げていただいたと思います。
川田、沼尾、橋田(沼尾さんは風邪をひいている)

渕上姉妹

恵子、美和子、亜弓の女声三部
混声四部

そして、ピアノのオープンセサミの皆さま、コーラスはなみずきの皆さま、練習の成果が出ていて感激でした。そして最後の全体合唱の「花は咲く」すごかった。
70歳を超えてから始められたチェンバロ

最後の全員合唱

昨晩は、町民割引を利用して、湯ら里で温泉付き反省会でした。これも中々良かった。
来年のことは、鬼が笑うので、もう少し近づいてから沼尾さんと相談したいと思います。
いずれにしても、また皆さまと、お会いできることを楽しみにしています。
出演者の記念撮影

湯ら里で

駒小6年2組の皆さま、遠いところまで、ありがとうございました。


2012年11月2日金曜日

寒い一日

昨晩から激しい雨・・・冬型が強まり山には雪、の情報が入りました。
そんな中を明日、明後日と開催の只見町文化祭へ工房毘沙沢からの展示品を届けました。

只見地区センターが危険建築物で使えないので、会場は旧只見中学校体育館。
う~、なんだかだだっ広くて・・・飾り付けの町の職員の皆さん、大変・・・と言う様子。
私の家具は、上座に鎮座させていただきました。

帰り道、山の方角へ向かう除雪車とすれ違い、恵子さんの家で野菜を頂き、明日から始まる「森林のふれあいコンサート」に向けて、買い物やら・・いろいろ。
それにしても、紅葉が美しい・・・・毘沙沢林道が美しい。




2012年11月1日木曜日

建築のこと

天気が良いので、外回りの片づけを久々に。
紅葉のきれいな季節ですから、家の中にばかり居られません・・・・と思ったら、針生の芳賀沼整さんが久々に姿を現しました。
3・11以降の建築家としての自らの仕事を綴った2冊の本を携えて。

相変わらず、エネルギッシュにこの間の活動の報告を・・・そして、只見町の庁舎のことなどにも及びました。
今回の庁舎は、プロポーザルで公開応募なのです。そして私は審査委員の1人。
「製さんの事務所は応募しないの・・・」「我々は応募用件に会わないから、応募できない」と言う返事でした。
「私は、要綱を作るところでは係りがもてなかったから・・・・ちょっと残念に思っているんです・・・」。
「いや~、只見町にこのプロポは、画期的ですよ」。

今回のプロポの一次審査は今月7日、9日で行われて10日に通知がされるはずです。
良い設計者との出会いを楽しみにしています。



只見町のホームページに議会議事録が公開されました。
只見町の様子がこれで何処からでも良くわかるようになりました。