2010年7月18日日曜日

奥会津の木地師









舘岩の「きこりの店」のイベントで、
前から見たいと思っていた映画「奥会津の木地師」を観ました。

舞台は、針生の山の中。
この地域には木地師が多く、昭和20年代まで残っていたようです。
そうした、最後の木地師の1975年の再現記録映画です。

木を求めて移動(30年程度と聞いています)していましたから、住家はその場所で、周辺の材料で作るのですが、実に手際よく、いとも簡単に作ってしまうのに驚きました。これには里人が手伝っていました。
屋根と壁は笹で葺きます、出来上がりは動物の巣に近いかもしれません。

周辺の山で、器の素材を手に入れるのですが、木を倒すのも斧(ヨキ)、お椀の大きさにその場で大木から取り出すのもヨキ。2種類のヨキで、おわんの形の材料を、木を倒したその場で済ませます。
実にシンプル。

木地小屋までの素材の運搬は女性の仕事。人間がこんなに重いものを本当に運搬できるのか?と思うような量を。

その後の粗取りも女性の仕事で、お椀の中をクルのに素足で挟み、特殊なチョウナを振るい落とします。
振り落とす場所が狂ったら指が飛ぶ、そんな作業です。

千数百年前と同じ人力で回すロクロ。電動モーターが出来るまではこれで器は作られてきたわけです。

屋根裏で乾燥され、馬の背にくくられて会津若松方面に出荷します。
木地は現金収入がありましたから、食料は里人から購入していたようです。

布沢にも木地の跡が残っています。
こうした地に生活していると、大変身近に感じます。

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